女将が詠んだ俳句を定期的に掲載しています。
箱根の季節感や、当荘の雰囲気が
少しでも皆様に伝わればと思っております。
庭の草花や樹木、鳥の囀、
変化してやまない雲や光、
風の音、雨の音、川のせせらぎ
春夏秋冬の移ろい、
肌で感じつつ、五七五の調べにのせ、
季語に寄り添い過ごす日々です。
かたまって
土橋に螢
ふぶきけり
2015.03.01
箱根で蛍狩りができます。
湯本は五月中旬ごろ。
宮ノ下と二ノ平は六月中旬、
芦の湖畔は七月。
時間帯は夜七時ごろから九時ごろまで。
当荘は蛍狩りツアーもいたしております。
ふぶくほどかたまって飛んでいる情景に
出会いました。
情熱的な表現でまとめてみました。
湿原の
風河骨を
見せにけり
2015.03.01
初夏の湿性花園にひっそりと咲く黄色い河骨。
湿原のしめった風が水面を過ぎてゆく。
河骨はその風に応えるように
星のごとく次々に花を咲かせる。
本堂の
網戸のうちの
法事かな
2015.03.01
一年のうち最も暑い時の法事。
親戚友人、知人、
お経を唱えてくれる僧侶も汗だくだく。
本堂に網戸からの涼しい山の風。
和やかに法事を終えることが出来ました。
星すべて
小さくなりし
大文字
2015.02.28
大正十年、避暑客を慰めるために行ったとの事。
八月十六日、夜七時四十五分点火。
ついさっきまで輝いていた星がもう見えない。
赤々と大文字の大の字が夜空に浮かぶ。
今年も見事な大文字であった。